君の名を呼んで
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『藤城すず・祝!女優復帰』

「かんぱ~い!!」

私の担当女優、藤城すずが無事に大学合格を果たし、また仕事に復帰することになった。
会社の会議室はささやかな祝賀会場になり、中心でニコニコと微笑むすず。
私も嬉しくてずっと顔が綻んでしまう。

「雪姫ちゃん、ありがとう!また頑張るからね」

素直で頑張り屋のすず。
感情の波は激しいけれど、それを努力で補える彼女は、本当に良く頑張ったと思う。

「こちらこそ、改めてよろしくね!」

そう言ったら、彼女は私に顔を寄せてヒソヒソ耳打ちする。

「副社長とはど~なの~?」

「すっ、すず!!」

このタイミングで突っ込むか!!
ちょうど噂の当人が会議室のドアを開けて、私たちを見た。

「よぉ、すず良かったな。しっかり稼げよ」

なんだか悪徳業者みたいな物言いだけど、すずは城ノ内副社長ににっこりと笑いかけ、

「は~い、がんばりまぁす」

なんて言いながら私に目配せする。


「雪姫ちゃん、大変だね~。副社長、格好良いしモテるもんね。まあアタシは応援するからね~」

私は年下のすずにからかわれて、顔を赤らめながら。

「も~営業行くよ!挨拶まわり!!」

「え~アタシのお祝いなのにぃ」

ニヤニヤしているすずを引っ張って、会社を出た。
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