溺れる蝶


夜のネオン街

たくさんの男と女が入り混じる

皆が笑ってるこの世界は

気持ち悪いくらい歪んでる

「きみが玲央ちゃん?」

40代くらいのおじさんがニヤニヤしながら話しかけてくる

私は無言で頷いた

「かわいいねぇ〜。これで彼氏がいないなんてびっくりだよー」

おじさんは手を掴んで歩き出した

通り過ぎる人々は何も気にせず歩いてる

そう、これが当たり前

この世界も、私も



ホテル街に入って部屋をとる

お金は前のうちに渡してもらう

シャワーを浴びると少し気分が落ち着く

これから私がやる事が正しいことじゃないことはわかってる

だけど、間違ってるとも思わない

「んっ…ああっ……あんっ」

「はぁっ…きもちいい…」

「んっ…ああんっ…イクぅっ」

これだけ言っとけば満足でしょ

このおじさん、上手くはないけど金は結構くれるんだよね〜

こっちは気持ちいいフリしとけばいいし

これが私の日常

「玲央ちゃんよかったよ。また会ってもらえるかな?」

「どうも」

ははっと笑いながら次会うことへの返事をごまかす

はぁ、今日もつかれた
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