「孤独」と「闇」の間で少女は笑う
「未唯様、修二様着きました」

そういってユリが後席のドアを開けてお辞儀をする

下には正面玄関まで続く赤いマットがひかれていた

「うわ、すげ、ここまですんのか」

「はい、財閥家のご子孫という設定ですので、当たり前です、まっすぐ顔を上げて上品に振る舞うようにしてくださいね」

『え!?そんなの聞いてなーい!』

「それな!なんだよその後付設定!」

やっぱ修二もしらなかったか。
私達に財閥家って、、無理じゃない??

「言い忘れてました、ま、なんとかして下さいませ」

『いやーん!未唯ちゃんないちゃーう!』

「もう時間ないんだろ?急ごうぜ」

笑顔を忘れずにとユリがお辞儀をしながらつぶやいた

私たちは返事をせずゆっくりと降りた

二人並んで歩き出す、その後ろから学校の者と話していたユリがついてくる

「上やべぇーな、気色悪い」

『同感』

今は丁度朝休みの時間で、ホームルームまで時間がある、そのため、私たちに気づいた生徒達が窓から見てくるのだ、それも、キャーキャー叫びながら

周りもうるさい、登校中なのかなんなのか、男女の人だかりができていた、叫ばないで欲しい、、

「耳痛い、」

『同感』

声と口の動きがわからない程度で会話をした
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