やさしい手のひら・後編
「そのドレスは別れてから俺が亜美を思ってデザインしたドレス。それを作って田村さんが保管していてくれた。いつか亜美を迎えに行けるように・・・」

健太・・・

「ずっと待たせたな」

健太が私のベールを上げ、涙を拭う。私は健太に

「嘘じゃないんだよね・・・?」

「嘘じゃない」

「本当なんだよね?」

「本当だよ」

何度も私の涙を拭い健太が

「幸せにする」

「うん」

「もう何があっても離さない」

「うん」

「愛してる」

そう言って誓いのキスを交わした

パチパチパチ

後ろから拍手の音がして振り向くとそこには・・・

由里と優香。そして祐介くん、学くん、龍くん、田村さん、スタイリストさん達

そして・・・

お父さん、お母さん、駿がいた

「どうしてここに・・・?」

「私達は知ってたの。黙っててごめんね」

由里が言った

「おじさん達は優香と説得して連れて来た。だって亜美の幸せを見せたいじゃない」

「あ・・・りがと」

「亜美」

「お父さん・・・」

「お前が望んだ幸せならそれでいい。でも、新くんにはきちんと頭を下げなさい」

「はい」

「新くんを裏切ってまで健太くんを選んだんだ。その分、幸せにならなったらだめなんだぞ」

「はい」

新くんが行けってそう言ってくれた気持ちを忘れない・・・

ずっと・・・・



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