やさしい手のひら・後編
悲涙
眩しい日差しが指す中、園児達も夏休みに入り、私も少し遅れて夏休みに入った

早いもので新くんと付き合って一年

あっという間の一年だった

「腹減った」

昨日の夜、私のマンションに泊まっていた新くんが、目を擦りながら起きてきた

「ご飯出来てるよ」

「亜美のご飯久しぶり」

撮影で2週間、海外に行っていて、昨日の夕方空港から真っ直ぐ私のマンションに来ていた

「はい」

ご飯をよそい、茶碗を渡すと

「うまい」

かぶり付くようにご飯を食べている

「俺、仕事休みだからどっか行く?」

「うん、行く」

久しぶりにあった新くんは相変わらずの口調で、私はそれがとても居心地が良かった

「どこ行きたい?」

「うーん?新くんは?」

「俺はどこでもいいけど」

どうしよう…急に言われて悩んでしまう

「買い物?ドライブ?映画?それともホテル?」

「はあ?なんでホテルなのよ!」

私の怒っている顔を見て笑っている

「お前はほんと冗談通じない奴だな」

「またバカにして」

「そこが憎めないんだよな」

「フンッ」

「ごめん、ごめん」

私を子供のようにあやし、頭を撫でる



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