光のもとでⅡ
 組の観覧席へ行くと、風間先輩に声をかけられた。
「御園生さん、おはよ」
「おはようございます」
「さっき美都と一緒にいたよね?」
「はい」
「応援合戦、どこの組が優勢か聞いた? 噂だと黒組だけど、やっぱ当たり?」
 私は苦笑を返すことで質問に応じた。
「そっか~……うちもいい線いってたと思うんだけどなぁ……」
「それも当たりです。うちの組は二位につけてましたから」
「マジで? くっそ~……藤宮に負けたと思うと悔しいんだよなぁ」
 ツカサと言えば……。
「あの、黒組のワルツ、ツカサは出ないみたいです」
「……マジでっ? そっちの噂も本当だったのかよ……」
「え? 風間先輩はご存知だったんですか?」
「いや、あくまでも噂だし、黒組の連中一切口割らなかったから事実確認はできなかったんだよね……」
 口を濁す風間先輩の後ろから静音先輩が現れた。
「どうやら、ダンスメンバーの選出を例年どおりにしなかったのはうちの組だけじゃなさそうよ。桃組は三組とも三年で固めてるっていう話だし、ほかの組も一年は選ばず二、三年から選出してるところが多いみたい。何にしても、藤宮くんがいるのに彼を出さないなんて大バカ者ねっ。こっちは勝率が上がって助かるけど」
 静音先輩がこうも言い切るほど、ツカサのダンスは評価されているのだろう。事実上手だし、何よりも優雅で美しい。
 そんなツカサのダンスを見てみたいと思う反面、自分以外の人と踊る姿を見たら複雑な気持ちになるだろうかとも思うし、どっちにしろ自分もワルツに出るのだからツカサが踊っているところは見られないではないか、と頭の中で言い合いが始まる。
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