光のもとでⅡ
 俺以外の四人が車に乗ると、
「唯は車の免許は持っているのか?」
 大樹さんに尋ねられ、
「はい、去年の秋に取りました」
「なら、これからは翠葉を連れてちょくちょく遊びに来い。平日は仕事でいないが、土日ならいるから。零樹に言っても蒼樹に言っても全く当てにならないからな」
 今日一番の長文を耳にした気分。
 大樹さんはリィにでれでれと目尻を下げていた。
「了解です。リィを連れてきます」
「そのときはまたつまみを作ってくれ」
 ……何これ、嬉しい……。
「今度は私にも作り方を教えてね」
 すごく、嬉しい……。
 背に添えられた佳苗さんの手があたたかかった。家族を労わるときにかけられるものみたいに。
「はい。次はご飯作りに来ます」
< 240 / 1,333 >

この作品をシェア

pagetop