光のもとでⅡ
 ツカサが微妙な行動を取るのは私に対してだけのようだし、普段より数割り増しの機嫌の悪さはミーティングでもうかがえた。「原因」は自分にあるのだろう。そうは思っていても、こうもストレートに言われると衝撃が大きい。
「面倒くせぇ、このくらいで泣くなよ」
「ごめん、違う……飛翔くんのせいじゃなくて――」
「当たり前だろ? これで俺のせいとかいい迷惑だし」
 当たり前すぎて返す言葉もない。
 少し深く息を吸い込み、昂ぶる気持ちを落ち着ける。
 飛翔くんにはツカサがどう見えたのだろう。ふたりは中等部からの付き合いだから、ミーティングの進行を見るだけで機嫌が悪いことに気づいたのだろう。
 淡々とミーティングを進めるのはいつものこと。けれども、提案が挙がるたびに容赦のない言葉で却下する様は、いつものそれとは度合いが違った。
「中等部ではこんなことなかったのに……」
 それは飛翔くんが零した言葉。私は飛翔くんの顔から視線を落とし、ゴツ、とした喉仏を見ながら尋ねる。
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