光のもとでⅡ
 あまりにも思っていることを表現できない自分が情けなくて涙が出てくる。
 次の瞬間、ツカサの手によって髪が耳にかけられた。
「っ……なんで泣いて――」
 少なくともツカサのせいではない。そんな説明すらできない。
 きちんと言葉にしなくちゃいけない。わかっているけれど、それが難しい今は行動に訴えてもいいだろうか。
「ツカサ……もっと近くに寄ってもいい?」
 ツカサは少し間を置いてから、
「別にかまわない」
 私は二十センチほどの間を詰めた。
 止まらない涙を左手の袖で拭い、
「絶対逃げない?」
 問いかけのような前置きをすると、
「逃げない。……でも、理性の保証もない」
「……なくてもいい」
 そんなふうに答えてしまったのは、もう距離を置かれたくないから。
 ツカサが求めるものにはきっとまだ応じられない。でも、それを望むツカサが嫌いなわけでも怖いわけでもないのだ。
 ただ、行為そのものが怖い。覚悟が持てない。でも、私は――。
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