光のもとでⅡ
「繰り返し嫌なことをされればトラウマにだってなるだろ。そういうのをどうこうと言うつもりはない。ただ、なんでそのくらい突っぱねられなかったんだ、とは思う。そういう弱さって男に付け入られる隙だと思うけど?」
 飛翔くんが言っていることはたぶん正しい。だから、三年間もそんな状態が続いたのだ。
「克服だけど……」
「え……?」
「意識を変えればできるんじゃない?」
 意識……?
「たとえば、あんたがいたその環境と今の環境、同じなの? 違うの?」
「……違う」
「なら、周りの人間をもっと信じればいい。そしたら克服できるんじゃないの」
 言った直後、飛翔くんは私に背を向け携帯をかけ始めた。
「飛鳥? 今、おまえどこにいる? ――じゃ、引き返して部室棟に向かって。――手のかかる捕虜引きわ――やっぱいいわ」
 飛翔くんは携帯をポケットにしまうと、「保護者のお出迎え」と顎で方向を示す。そちらを見ると、ツカサがこちらに向かって歩いてくるところだった。
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