光のもとでⅡ
 再度ツカサを振り返ると、
「飛翔と一緒で大丈夫だったの?」
 ぶっきらぼうに訊かれる。
「ん……怖い人っていう印象が少し和らいだかも?」
 やっぱり、人とは話してみないとわからないものだな……。
 見た目や声だけで「怖い」と決め付けるのは良くないだろう。それと同じで、「男子だから」というだけで苦手意識を持つのもきっと良くない。でも、根付いてしまった先入観はどうしたら払拭できるだろう。
「翠」
「ん?」
「何を考えてる?」
「……先入観について」
「は……?」
「どうしたら先入観を払拭できるかな、と思って」
「……それ、飛翔のこと?」
 正しくは「男子」一括りだけれど、「飛翔くん」であっても間違いではない。だから、頷くことで肯定した。
「……先入観が誤りだと認識すれば必然的に払拭されると思う」
 答えると、ツカサは芝生広場へと向かってさっさと歩き始めてしまった。
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