光のもとでⅡ

Side 翠葉 02話

 私は柊ちゃんに連れられて、二階の居住空間に足を踏み入れた。
 そこは、玄関のドアから何から何までカントリー調に揃えられている、なんともあたたかみのある空間だった。ここまできっちりと揃えられているところを見ると、ご両親どちらかの好みなのかもしれない。
「たっだいまー! 無事ご入会いただけましたー!」
 柊ちゃんの声に反応したのか、廊下の先から佐野くんと聖くんが顔を出した。そして、柊ちゃんがタタタ、と走っていくと三人はハイタッチを交わす。
 柊ちゃんが動く様は、ぴょんぴょんと跳ねているように見えてとてもかわいい。 ふわふわの髪の毛が動きに連動して、顎あたりで揺れるのがかわいらしさに拍車をかけるのだ。
 そんな姿を見ていたら、佐野くんに話しかけられた。
「レッスン日、決まった?」
「うん。日曜日にしてもらえたの」
「ふふっ! 日曜日は一緒にお昼ご飯食べるんだ! ねっ?」
「うん」
 このテンションについていかれる気はしないけれど、柊ちゃんの嬉しそうな顔を見るのは好き。柊ちゃんの笑顔は夏に元気よく咲く向日葵のようで、心があたたかくなる笑顔だから。
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