光のもとでⅡ

Side 司 08話

 今日はスチル写真撮りの日。
 場所は第一小体育館。撮影者は写真部の部長。
 現場には生徒会メンバーと写真部の部員が数名いた。
 集合時間になって簾条に連れられてきた翠は、赤い衣装に身を包んでいた。
 しかし、包まれている面積が少なすぎて、自分が着ている長ランを羽織らせたくなる。
 そんな行動に出たらからかいの的になることは必須。腕を組むことで必死に抑えていると、
「はーい、翠葉はそのジャージ取ってねー」
 腰に巻いていたジャージを嵐に取られると、
「せっ、先輩っ、写真撮る直前まではっっっ」
「翠葉、足細いんだからいいじゃない」
 そういう問題じゃない。
「ただ単にもやしなだけですっ」
 真面目に答えるな、バカ。
「いやみな子ねぇ……。去年と比べると少し体重増えたっぽいし、十分きれいな足よ?」
 その場にいる誰もが翠の足に注目していて、男子全員を体育館から閉め出したくなる。
 でも、やっぱりそんなふうには動けなくて、とっとと撮影が終わればいいと思った。
「翠葉にきてるオーダーは、ポーズをとって笑顔全開」
 簾条の言葉に翠は真っ青になったが、そんなことを気にしない嵐は、
「翠葉、立って左足軽く上げて片足立ち。ボンボン持った手は腰にあてて。ほら、さっさとやるっ!」
 翠は簡易スタジオの中央に立たされ言われたとおりに身体を動かす。しかし、背筋が伸びていないので全然様になっていない。これではいい写真など撮れないだろう。
 もっとも、いい写真なんて撮らせたくもなければ、全校生徒が目にするアルバムになど収録されたくもないわけだが……。
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