全部、抱きしめて
そして、空が薄暗くなる頃、花火が始まった。
「うわぁ」
「綺麗」
みんな空を見上げ感嘆な声を上げている。もちろんあたしもその一人。
赤黄緑と鮮やかに空に打ち上がっていく花火。ほんの一瞬の光なのに心に焼きついていく。
やがて空が完全に暗くなり花火の輝きは更に増していく。
誰もが空を見上げ夢中だ。
「綺麗だな」
大瀬良さんが、花火が上がってから初めて口を開いた。
「そうですね」と、答えならがら、大瀬
良さんを見ると目が合って、あたしは肩を抱かれーー
軽く触れるだけのキスをされていた。
周りにいる人たちが見て見ぬしているのを感じた。
大瀬良さんは、何事もなかったかのように空を見上げている。