ルージュのキスは恋の始まり
「・・・・」

「元々お前は年の離れた姉と二人暮らしだった。だが、姉が自殺して一人になったお前をじじいが拾って来て自分の秘書の養子させたんだ。お前の姉の自殺の原因が俺の親父だったからな」

 じじいが言っていた親父が堕胎させたという女は、片岡の姉だった。

 親父を恨む気持ちはわかる。

「姉を殺したのはあなたの父親だ。堕胎までさせたのに、姉を捨てて」

「だから、親父の息子の俺も許せないって?復讐に7年も待つなんてある意味感心する。俺がなかなかやる気を出さなかったから、さぞかしお前は退屈だったろうな。それで、俺がそこの彬に潰されて大恥かいて龍神家を追い出されれば、お前は満足するのか?」

「あなたも絶望を味わえばいいんだ」

 片岡が憎悪に満ちた目で俺を見据える。
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