ルージュのキスは恋の始まり
 あの悪魔が言っていた宣伝部異動の話って本気なのだろうか?

 いや・・きっと私の見た目が気に入らなくて意地悪で言っただけだろう。

 あんな男はもう無視だ。

 次の打合せに同席することがあれば、亜紀ちゃんか井上君に行ってもらおう。

 そんな事を考えていると、白衣のポケットの携帯がブルブルと震えた。

 ポケットから携帯を取り出して見ると、大河からのメール。

" あと5分で着く。門の前で。大河 "

 大河は私の一つ下の弟だ。

 頭が良くて、優しくて、とっても姉思いの自慢の弟。

 大河が迎えに来るって事は、今日は仕事が早く終わったらしい。

 ちょうど良かった。

 今日は仕事になんないし。

 早く帰って気持ちをリセットしよう。
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