ルージュのキスは恋の始まり
27、伝えたい言葉 ー 玲王side
 家に入ると真っ先に美優が使っている客室を確認した。

 嫌な予感がした。

「・・・・荷物がない。どこに行った?」

 スマホを取り出して美優にかけるが繋がる気配がない。

 自室に戻ろうとしてダイニングを通り抜けようとすると、テーブルの上に何かが置いてあるのに気づいた。

 そこにあったのはメモと分厚い封筒。

 美優は彼女らしい綺麗な字で俺への伝言を残していた。

" この封筒を西園寺さんに返してください。
 彼女とお幸せに。
 今までありがとう。 "

「西園寺?」

 封筒の中身を見ると札束が入っていた。

 それを見て、状況がつかめた。

「あの女!勝手な真似しやがって!」

 拳をテーブルに叩きつける。
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