ルージュのキスは恋の始まり
「玲王、ちょっと!」

「黙ってないと舌噛むぞ」

「でも、どこに行く気?」

「ホテルの部屋に決まってるだろ」

 参列者が見守る中、足早に去っていく。

 でも、私は百合ちゃんにどうしてもブーケを渡したくて、彼女の前で玲王に声をかけた。

「玲王、待って!」

 私の声で玲王が立ち止まると、私はピンクの花で作られたブーケを百合ちゃんに手渡した。

「次は百合ちゃんの番だよ。大河とね」

 私が微笑むと、百合ちゃんは頬をピンクに染めながら頷いた。

「美優さん、ありがとうございます。美男美女、本当にお似合いです。お幸せに」

「ありがとう」

 私達のやり取りを見ていた玲王が百合ちゃんに向かって軽く頷く。
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