ルージュのキスは恋の始まり
 そんな事を考えていると、悪魔が身動ぎしてう~んと唸りながら目を開けた。

 あっ、ヤバッ。

 一瞬目が合う。

 でも、私が固まっていると、龍神社長は私には興味なさそうに私から目をそらした。

「身体中痛てえ・・・・」

 龍神社長が顔をしかめながら、立ち上がってストレッチをする。

「・・・左腕の感覚がない」

 不機嫌な顔をしながら龍神社長がポツリと呟く。

 それは・・多分私が彼の腕をしっかりつかんでいたからだ。

「あっ・・・すみません」

 咄嗟に謝ると、俺様社長はますます不機嫌になった。

 これは怒ってる?

「お前のお陰で昼食食べ損ねた」

 目の前の時計を見ればもう6時。
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