ルージュのキスは恋の始まり
「楽しみだなあ、あの社長にまた会うの」

 大河が見つめるその先には、もう去ってしまった龍神社長がいた。

 挑戦的のようでどこか楽しんでいるようなその顔。

 大河がこういう表情の時は何か企んでいる時だったのに。

 私はどうして気づかなかったのだろう。

 弟の策にはまったと知った時には、もう逃げたくても逃げられない状況になっていた。
< 82 / 391 >

この作品をシェア

pagetop