陽だまりをくれたきみが好き。


「川口……」



佐々木くんが立ち止まって私を呼ぶ。


……?



「………悪かったな」



そして背中を向けたままその一言を言うと彼は体育館の方へ歩いて行った。


……謝って、くれた……?

あの、佐々木くんが……?



「良かったな」



驚きで身動きが取れない私の頭の上に内田くんが手をポンと置いてそう言う。



「うん……っ」



心の中がスーーッと楽になる感覚。


……ずっと苦しかった。

息苦しくて、辛かった。


それが佐々木くんの謝罪で、ようやくなくなった気がした。



「俺そろそろ戻らなきゃ」


「あ、うん。早瀬くん本当にありがとう」


「ううん、全然。気をつけて帰れよ」



早瀬くんが体育館に戻って行った。


……今日は来て良かった。


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