元殺し屋と、殺し屋









「何していたの?パソコン置かれているけど」

「氷さんから頼まれた仕事をしていました」

「仕事?
もしかして、あの後また殺しに行ったの?」

「いえ違いますよ。
情報屋としての仕事ですよ」

「情報屋の仕事・・・?」

「ブラックキャットには情報屋が少なくて。
それなのに調べてほしいことは山ほどあって。
氷さんと毎夜のように手分けして調べているんです。
寝ている暇なんてありませんよ」



・・・そうなの?



「いつも寝ないのは1週間ぐらいなんですけどね。
ここ1ヶ月は寝ていませんから・・・。
だからひどくなったんでしょうね」



1週間と1ヶ月!?

豪(えら)い差だな!

本人は楽しそうに笑っているし。

笑い事じゃないだろっ!(2回目)



「今日は自由行動よ。
そんな寝不足で回れるわけないでしょう?」

「そうですかねぇ・・・」

「倒れられても困るのよ」

「じゃあ俺、どうすれば良いですかね?」

「先生呼んでくるわ。
変装しておきなさい。
そのまま外出歩くわけにはいかないから」

「ありがとうございます・・・紅羽」



再び重くなり始めた瞼を頑張って開け、私は部屋を飛び出した。







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