いまさら、私たち。

祐介の変化


【回想シーン】

その日以来私と祐介は一言も口をきかなくなったけど、同じ中学に進んだし家も近所だし、祐介を見かける機会は頻繁にあった。

認めるのが悔しいけど、幼稚園の頃から美形の顔立ちをしていた祐介。

中学からはバスケ部に入ったらしく、急激に背が伸びて、髪色も明るくなって、別人みたいになって。

「B組の橘くんってカッコいいよね」
「付き合いたーい‼︎」

そんな女の子たちの声も、よく耳にするようになった。噂ではファンクラブまでできただのなんだの…。

「ねえねえ政田さんって、橘くんの幼馴染なんでしょ?もしよかったら、この手紙を橘くんに…」

政美「えっ?ううん、違うよ‼︎小学校は同じだったけど別に幼馴染じゃないし、全然仲良くもないし。」

そんな嘘をついてしまったのはきっと、恋の仲介なんてゴタゴタに巻き込まれそうで面倒だったから……




< 15 / 20 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop