橘恋歌


ですが。


「なんだ…だぁれもいない」


幼い予想は外れ、誰一人いない橘の丘を見渡しながら私は頬を膨らませました。


「誰か、一緒に遊んでくれないかしら」


その時。


「ねぇ…それ、蹴鞠の…?」


背後から突然聞こえた声にびくりとし、恐る恐る振り向いた先に…いつの間に来たのか、同い年ぐらいの男の子が立っていました。


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