裏腹な彼との恋愛設計図
「そこで、とっても申し訳ない頼み事なんだが……」

「俺にヘルプに行ってほしい、ってことですね?」

「さすが柊くん、飲み込み早いね~」


メタルフレームをきらりと輝かせ、うんうんと頷く社長。

もしかしたら、ヘルプに行けと言われるのではないかと予想はしていた。それ自体は構わないのだが、すぐ近くに杏奈がいると思うと途端に行く気が失せる……。


「いつから、どのくらい行ってればいいんですか?」

「柊くんが今担当してる件の引き継ぎが出来次第お願いするよ。君の代わりは僕の知り合いの信頼出来るプランナーに話してあるから、こっちは心配ない。
期間は向こうが落ち着くまで……ニ、三ヶ月はかかるかもしれないね」

「ニ、三ヶ月か……通勤どうすっかな」

「ウィークリーのアパート借りるぞ? そっちの手配は全部僕がやっておくから」


新科店まではここから車で一時間半ほどかかる。

通えない距離でもないし、アパート代を払うことを考えると通った方がいいだろう。

それに……向こうにアパートを借りたら、杏奈が押しかけてくるのは目に見えている。

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