裏腹な彼との恋愛設計図
そんな私を、朝海はカクテルを飲みながら、心配半分、呆れ半分といった目で眺める。


「理由はその柊さんしかわからないわよ。もうちゃちゃっと聞いちゃえばいいじゃない」

「それが出来なくて悶々としてるんだってば……」

「じゃあ私がお尻叩いてあげるから立ちなさい」

「ここではやめてください女王様~!」


朝海の持つシャンパンがロウソクに見えてくる!

なんてバカなことをやってでもテンションを上げないと、せっかくの同窓会も楽しめそうにない。


「そういえば、翔吾くん来れなくなったんだね」


徐々に集まる人で圧迫感を増していくきらびやかな会場を眺めつつ、仕事が入ってしまったという翔吾くんのことを思い出した。


「みたいね。来ない方がいいわよ、どうせ一夜限りのお楽しみの相手を探すだけなんだから」

「かもね」

「あの彼は……まだいないか」


ぐるりと見回しながら朝海が言うのは、きっと三好くんのことだろう。

それらしき人はいないけど、もう卒業してから十年が経っていて、その間一度も会っていないんだし、ぱっと見ただけではわからないかもしれない。

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