裏腹な彼との恋愛設計図
少し寂しいような、でもどこか吹っ切れそうな気もする。

不思議そうに私を見る柊さんに、にこりと微笑み返して、あとわずかとなった用紙を手に取っていった。




「終わったぁ~!」


最後の封筒を郵便屋さんに渡す大きなケースの中に入れると、私は大きく伸びをした。


「さっさと帰るぞ」

「あ、はい!」


達成感に浸る間もなく階段の方へ向かう柊さんに、私は荷物を持って駆け寄る。

電気代の無駄だもんねー……と思いながら、二階の電気を消して階段を下りる。けれど。


今になってふと気付いた。

電気代も残業代も気にするなら、別に残っていく必要なんてなかったじゃない、と。

今日はもう帰らせて、明日私一人にやらせればよかったのに。

やっぱり、柊さんは私のことを気遣ってくれたんじゃないかな。


そう思うとほんのり胸が温かくなって、口元を綻ばせながら自分のデスクで身支度を整えていた。

すると、パチッと音がした瞬間、オフィスの中が真っ暗になる。


「ひゃっ!!」

「トロトロしてんな。電気代の無駄だっつってんだろ」

「えぇぇ!?」


真っ暗闇に響くのは厳しい柊さんの言葉。

どうやらすでに帰り支度を整えた彼が電気を消したらしい……容赦ない!

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