海ホタル

女の子

待ちに待った給料日。
始めてもらった茶封筒。
アユミママは早く開けてとしつこく言う。10万という大金が入っていたからだ。
店でのあたしの名前は愛ちゃん。
その愛ちゃんに会うために来る客が後を絶たない。
店の売り上げは日に日に上がって行くに連れ、愛ちゃんは飲み屋街の「酒場小町」とまで言われるようになった。
店の営業時間が終わった後、台所で片付けをしているあたしの背後に、アユミママが立っていた。
「さわちゃんいつもありがとう。翔子のお友達で紹介されたけど、ほんとに、あなたが来てくれてよかったわ」
と、いつもの営業スマイルより優しい笑顔で言った。始めて面と向かって言われた感謝の言葉だった。
「そんな、働かせていただいて、使ってくざって、本当にありがとうございます」
そう言うと深々と頭を下げた。
「いいのよ。また一ヶ月よろしくね愛ちゃん」
アユミママは本当に親切で優しい人。
この人が母親だったらと何度も思う。
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