秘密
「小日向先生ー!!」

向こうから清々しく走ってくるあの男は、体育教師の小野田 貴之(おのだ たかゆき)先生。

僕の嫌いな暑苦しさでいけばナンバーワンだ。

だが、同じ年齢というだけで、僕によく絡んでくる。

なんとも暑苦しい。

「なんですか?小野田先生。」

「いやあ、今日も暑いっすねぇ!」

「まぁ、夏ですしね。」

「がはははは」

一体、何が面白かったのか僕には意味不明だ。

「で、どうしたんですか?」

「あ、そう!そう!葉山見てないっすか?」

「葉山...?」

「え、小日向先生、知らないんすか!夏休み明けから新しく来る転入生っすよ!」

「あ、そうなんですか。」

生徒に、というか人間にあまり関心がない。

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