幼馴染みはイジワル課長
「ああ…おはよ」


先に目をそらしたのは部長。




「おはよう」


碧は何か言いたそうな顔をして私を見たあと、部長と仕事の話をしていた。





なんか他人行儀だなぁ…

会社では仕方ないけど、やっぱりちょっと寂しいかも…

付き合ってないフリするのって思ってたよりも大変なんだな。







ガコン…



エレベーターの扉が開くと、歩未ちゃんが先に中に入って開けるボタンを押してくれている。





「先にどうぞ」


後ろにいる碧と部長に声をかけると、2人は「ありがとう」と言ってエレベーターの中に乗り込んだ。

2人が乗ったのを確認したあと、最後に私が中に乗り込むと歩未ちゃんは閉まるボタンを押しエレベーターのドアが閉まった。



4人乗り込むと狭く感じる程のエレベーターの中は、特に会話もなくしーんとしている…

さっきまで仕事の話をしていた碧と部長も、今は何も話さない。






このエレベーターの中にいる4人は、今全員気まずいと思ってるはず…

まあ、歩未ちゃんと部長に比べたら…私と碧はまた別の気まずさだけど…



碧…

今日はどんなネクタイしてたかな…

さっき挨拶した時に見損ねちゃった…


碧のネクタイの柄を見るのって、さりげなく楽しみだったりするんだよね。いつもセンスがいいし、それに今後も踏まえると碧はどんなものが趣味なのか観察するのにもいいんだよなぁ…


これから誕生日とかクリスマスとか、プレゼントする機会も多くなるし…


碧にプレゼントを渡すって考えるだけでドキドキするよ~

あー早くイベントが来ないかな…


だけど碧の誕生日は2月だった…まだまだ先だよ。

私の誕生日は4月だからとっくに過ぎちゃったし…これからイベントはないや。








チーン…


エレベーターが営業部のオフィスの階に着き扉が開くと、歩未ちゃんは開けるボタンを押しながら部長と碧に「どうぞ」と会釈した。

2人は先にエレベーターを出ると、私と歩未ちゃんは同時にエレベーターを降りた。







「ふぅ…」


私と歩未ちゃんはエレベーターを出るなりため息をついて、緊張していた糸がほぐれたみたいだった。
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