カラダだけの関係~冷血上司の惑わしの束縛~
開店準備中のカラオケラウンジの前を通り過ぎる。


二人は非常口の扉前に佇んでいた。


佐藤さんは、丁度二人からは見えない角の壁にカラダを押し付けて、目だけを覗かせて様子を伺っていた。


「佐藤さん・・・」


「静かにして下さい…」


「木村さん、俺に用事って何かな?」


「帯刀部長には今、お付き合いされている方いますか?」


私も佐藤さんと同じ体勢になり、目だけ覗かせて悠来の様子を見る。


「もし、いなければ、私と…」


「すまない。俺はオフィスで恋愛する気にはなれない。それに、好きな人が居るんだ。木村さん」


「そうですか…判りました…」


悠来は、オフィスにセフレを作っても恋人は作らないんだ。


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