何度でもきみに恋をする(ほんとは甘いきみ)






「とぼけんなって~!

 初恋の亜弥華ちゃんと、同じクラスにいる亜弥華。
 やっぱ、同一人物なんでしょうか!?

 菅綺さん、お答えをどうぞ!」

右手をマイク風にグーにして、
はしゃいだように俺の顎に当てる楓。

ばかで記憶力悪いくせに、こういうときだけいい頭脳をしやがる。

「…知らね」

「……"知らね"?

 え、だって、え、まさか確認もしてないとか…?」

「そうだけど」

俺はそう言ってから本に目を移した。


「な、え、ま、はぁ?」

まぬけな声がした気がするが、無視を決め込む。




< 99 / 141 >

この作品をシェア

pagetop