音楽が聴こえる
やだ、案外可愛いところもあるんだ。

「君の声、悪くないよ」

「それで誉めてるつもりかよ。ってかセンセーの食い方、色気ねぇなあ」

ホイップパンのクリームが口の回りに付かないよう、大口を開けたところを斉賀に指摘された。

「これ美味しいけど、気を抜くと大変なことになるの。クリームだらけ」

「んなの家で食えよー」

斉賀は肩を竦めて笑う。

「いやいや、君がここにいるのがイレギュラー」

あたしは斉賀を気にせず、ぱくぱく大きな口で食べた。

昨日はティラミスを食べ損ね、朝はコーヒーのみ。体は間違いなく、糖分を必要としてる。

そんなあたしを、斉賀は珍獣でも見るみたいに眺めていて。


暫くすると、斉賀がぽつりと呟いた。

「……俺、今度のチャンス逃したくねーんだ。高校生でもさ、やれっとこ見せてぇ」

だから余計に焦る訳だね。

「年齢なんて、関係無いと思うけど。……実力があるか無いかの話し。あと必要なのはカリスマ性か」
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