音楽が聴こえる
こいつの部屋も、こんな匂いだったっけと思いながら、暫く梨花の為すがままにされていた。


俺達は付き合ってる訳じゃねえし。


こいつが俺の彼女だったのは、中学生のガキの頃の話しだ。

中二の途中で俺が隣りの市に転校して、自然消滅。

……ガキの恋愛なんて、そんなもんだろ。


高校に入学したある日、梨花に声を掛けられて俺は内心驚いた。

ガキ臭い美少女だった梨花が、女の匂いを撒き散らして 笑ってたから。

それから梨花は暇になると『遊ぼ?』と声を掛けて来るようになった。

皆こいつの見かけに騙されて、梨花のメスの部分に気付かねぇ。


「ジュンヤ、ここでしよっか」

潤んだ目でこちらを見上げ、俺の手を自分のブラウスの中に導く。

その肌はじっとりと湿っぽい。


こいつの誘いに初めて乗った時も、軽い気持ちだった。

梨花に彼氏がいても俺に彼女がいても。
だから、こいつに倫理観を唱えるつもりもねーんだけど。

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