White Magic ~俺様ドクターの魔法~

「こんばんは~」


軽く入ってきたのは、紛れもないうちの病院の院長だった。


「院長先生!」


私が声を上げると、「あっ、ももちゃん」といつもの笑顔で手を上げて答えてくれた。


いやいや、『ももちゃん』じゃないし・・・・・・・。



いったい、この会は、何の会ですか?



「驚いてるともうから説明しようか?」

と運ばれてきた食事を目の前にお父様は話し始めた。



お父様と近藤教授と院長先生は、医大の同期らしい。

それはわかるでも、こうして集められている理由はわからない。


そして、お父様は私たちが結婚すことを2日前に話したらしい。


「ももちゃんが、佐々木先生と付き合ってるなんてね・・・くやしいなぁ」


冗談っぽく言う院長先生は、
「でもまぁ、アメリカには行かないみたいやから許してやろうかな」と続けた。


「いや、すみませ・・・」


申し訳なさそうに瞬さんは誤ると、さらに近藤教授に突っ込まれていた。


「ほんまに、お前が立花のところの子に手を出したって聞いた時はびっくりしたんやからな、ちゃんと謝れ!」


「す、すいません」


どうやら、瞬さんは近藤教授と院長先生には頭が上がらないようだ。


「まぁ、いいよ。でも、ももちゃんを泣かせたら、僕が許さないからね。
ももちゃんは、うちの病院の宝なんやから」



・・・・・・院長先生の行っていることが恥ずかしすぎて、逃げ出したかった。


結局この会は、瞬さんのご両親のサプライズだったようだ。



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