甘いヒミツは恋の罠
「へぇ……お前のネックレス、まぁまぁな仕上がりになったじゃないか」


「え、えぇ……朝比奈さんのアドバイスのおかげです」


(なんでこんなところにいるのよ~)


 先日のやり取りを思い出して、紅美はひとり気まずい思いに目を泳がせた。朝比奈に目を合わせないように俯いていると、じっと胸元に視線を感じて紅美はちらりと朝比奈を見た。


(え……?)


 朝比奈の視線は、紅美がいつも身につけているルビーのネックレスに向けられていて、意味深に瞬きもせず見つめていた。


「……あの?」


「あ、あぁ……少しぼーっとしてた。最近疲れがたまってるみたいだな」


「朝比奈店長、お疲れ様です」


 その時、沢田と結衣がアルチェスのブースに戻ってきた。
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