Flicken Geist
「ゴーストのアジトに潜入なんて…命知らずなの…」

バレットM82のテレスコピックサイトを覗きつつ、コートニーは侵入者の姿を見る。

額に黒いバンダナを巻いた、スニーキングスーツの男。

バンダナのせいか、幼き日に見た、若かりし頃のゴーストを彷彿とさせる。

「貴方は誰?…何の目的でここに潜入したの…?」

呟きつつ、トリガーを引く。

同時に巻き起こる雪煙、小爆発のような発砲音!

バレットM82の射撃は伏せて行う(伏射)か、土嚢などで支えるのが一般的とされる。

セミオート式を採用している為に連続射撃が可能だが、マズルブレーキから噴出する発砲煙と、発射場所によってはそれに巻き上げられる砂埃が射手を覆うほど拡散する。

それ程の威力を持つ狙撃銃を、コートニーは立射していた。

女性にしては体格がいい事もあるが、何より義父であり師であるゴーストの教えの賜物であった。

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