冷たい上司の温め方

ドアを開けようとしたとき……「麻田さん、頑張ってるでしょ」と私の話題が出て手をひっこめた。

「そうですね。まぁ、まだ役に立ちませんが」


悪かったわね!

だけど、笹川さんのようになんでもできるわけではないし、そう言われても仕方がない。


「そんなこと言って。
楠君が麻田さんを引っ張ったのは、いいところついてると思ったのよ。
彼女、すごく正義感が強いし、なんだってとにかくやってみるっていうバイタリティにも溢れてる。
流されることで社会になんとなく存在している最近の若い子の中じゃ、貴重な存在だと思うわ」


遠藤さんが褒めてくれるのがうれしい。


「ですが……三課に連れてきたこと、少し後悔してます」


楠さんの言葉に一瞬ドキッとする。

それは……期待外れだったということだろうか。

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