冷たい上司の温め方

たまにはデートでもしませんか?


週末、枕元に置いておいたスマホが震えて飛び起きた。
疲れていたせいか、ぐっすり眠っていたようだ。


「わっ、寝すぎた」


遅刻だ!と焦ったものの、今日は休みだ。
目覚ましにしているアラームが鳴ったとばかり思ったら、電話だった。


「もしもし」

『遅い』

「は?」


寝起き早々叱られて、気分がよくない。
電話の相手は楠さんだった。


『まさか、寝てたんじゃないだろうな』

「寝てましたけど……」

『まったく。三十分やるから、それまでに用意しろ。迎えに行く』

「は……」


そこで一方的に電話は切れた。

用意って……仕事だったっけ?


「あっ!」

『遊ぶ相手いないんだったら、遊んでやる』と言ってたけど、あれって、本気だったの?

< 245 / 457 >

この作品をシェア

pagetop