SHIZUKU ~ 透明な朝露に抱かれて ~
あの夏の日から1年ちょっとの間、俺は、君を失った喪失感に耐え続けた。


辛かった。


苦しかった。





携帯電話に残った君の電話番号を押しそうに、何度もなった。




君に会いたくて仕方なかった。


君が無邪気に話す声を聞きたくて仕方なかった。


君の優しい笑顔が見たくて仕方なかった。





君を好きになっていた事に気付くのに、そんなに時間は必要なかった。


・・・・・・でも、自分から振ったのに好きになったなんて、そんな都合のいい事、言えないと思った。






時がすぎれば、この思いは消えると思った。


・・・・・・でも、1年たっても、思いは消えなかった。
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