SHIZUKU ~ 透明な朝露に抱かれて ~
12
朝露がきらめく。

淡く、はかなげだ。

葉先から、ぽとんと地面に落ち、吸い込まれていく。

君は、嬉しそうに、幸せそうに笑っている。




『知ってた?正道。

私が笑うと、正道も笑うんだよ。』



『そりゃそうだよ。』



『ふふ。』




君の笑う姿を写真に収める。

一瞬で、君は表情を変えるから、自然と、写真を撮る枚数も多くなる。




『知ってた?正道が笑うと、私も笑うんだよ。』


『そうか。』




何だか嬉しくなる言葉だった。



『正道が、私を救ってくれた。』




手が震えて、うまくシャッターが切れない。



『正道、ありがとう。』



俺はカメラを下ろした。


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