初恋の絵本



「一日ね」

「ん〜?」

「一日中、ずっとハルといたい」

「うん。いいね」

「あのね。デートしてみたい」

「しようよ。デート」

「したことないから、分かんないよ」




でも、私は欲張りだ。

もっとずっとハルといたい。

独占したい。



妃ちゃん達みたいに、
彼氏と日曜デートしてみたい。




「じゃあ心実はどこいきたい?」

「海に行きたい」

「なら今から行く?」

「え⁉︎」

「そんなの直ぐに叶えるよ」

「いいの?」

「なんで遠慮するの?」




行きたいって言ったくせに、
へんなの。

楽しそうにハルが笑う。



私ね。

あなたのその目が好きだよ。



「でも、今から行くと夜になるよ」

「夜の海もいいよ」

「想像できない。海って言ったら太陽の下で遊ぶ感じ」

「確かにね。でも、夜の海も楽しいよ」

はい。と、

手を出してきた。


捕まえってことだよね。



「ん」


そっと手を差し出すと
満足そうに笑ってくれた。





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