赤い流れ星3
side 美幸
「じゃあ、行ってくるね。」

「あぁ、気をつけてな。」


あっという間に約束の日曜がやって来た。
私は、野々村さんと遊びに行くと嘘を吐いて、家を出た。

近々、兄さん達の友達がイギリスから遊びに来るとかで、今日は大掃除をするんだって、兄さん達ははりきっていた。






「あ、野々村さ~ん!」

「ひかりさん!」


本屋の前には、すでに野々村さんが待っていた。
ものすごく気合いを入れてる…って程ではないけど、今日の野々村さんはけっこう綺麗。
やっぱり、おじいさんと会うから、おしゃれして来たんだろうな。
私もそれなりにおしゃれはして来たけど、お店に行く時程じゃない。
野々村さんと遊びに行くって言ってるのに、そんなに気合いを入れてたんじゃおかしいもんね。


「野々村さん、おじいさんは…」

「ひかり~!」

野々村さんに話しかけたちょうどその時、後ろから立派な外車が近付いて来て…
そこからおじいさんが降り立った。



「待たせたかの?」

「ううん、私も今来た所…野々村さんが一番だよ。」

「そうかそうか。
それでシュウは…」

その時、クラクションの大きな音がして…
そこにいたのは窓から顔を出すシュウさんの車だった。



「おぉ、シュウ…
ちょうど良かった。
グッドタイミングじゃな。」



私達は、シュウさんの車に乗り込んだ。
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