赤い流れ星3
side 美幸
「カズ!ひさしぶりだなぁ!」

「ネイサン!!」



数日後、兄さん達の友達だっていう人がやって来た。
まっすぐで艶やかな黒髪が腰あたりまであって、なんだかとっても神秘的な雰囲気の人だった。
しかも、日本語もぺらぺらで日本通らしい。
何でも、この家だって元々はその人が住んでた家なんだって。



「ネイサン、こいつが妹の美幸だ。」

「そう…君が美幸さん…!
会えて嬉しいよ…!」

「わっっ!」

いきなり抱きしめられて、私はびっくりしてしまった。
特に深い意味はないってわかってても、やっぱりこういうのは驚くよね。



「今夜はパーティだよ。
ボク達の親しい友達も呼んであるんだ。」

「そうか、ありがとう!楽しみだな。」



見た目の静かな雰囲気とは裏腹に、実はけっこう陽気な人らしい。
確かに良く話すし、良く笑う。
気難しい兄さんとは違って、感じの良い人だ。



だいたいの準備は出来てたけど、ネイサンさんも一緒になってパーティの準備を続けた。
けっこうマメな人みたい。
あと少しで、野々村さん達も来るはずだ。



そうこうしてるうちに、玄関のチャイムが鳴って…



「カズーーー!久しぶり~!」



一番乗りのタカミ―さんが、兄さんの胸に飛び込んだ。



「あ、あぁ、いらっしゃい。」

「カズ!最近、お店にも来てくれないし、メールの返信もくれないし、冷たいじゃないの!」

「す、すみません…ちょ…ちょっと忙しくて…」

そう言いながら、兄さんはやんわりと身体を引き離す。



「タカミ―さん、こっちが友達のネイサンです。」

「はじめまして。」

「もうっ!さん付けなんて、水臭いじゃないの!
私、カズの恋人のタカミ―です。」

「えっ!カズ…そんな趣味あったっけ?」

「じょ、冗談だって!」

「ひどいわ、カズ!」

「い、いたっ!」

兄さんはタカミ―さんに腕をつねられて、顔を歪めていた。
本当に、タカミ―さんって面白い。
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