赤い流れ星3
side 美幸




「美幸ちゃん、見て!見て!」

「うわぁ!ロナタンのフィギュアだぁ!すごーーーい!」



あの日以来、私達は何度かデートを重ねた。
アニメの映画を見に行ったり、カラオケに行ったり…
今日は、ちょっと遠出してショッピングというか、私達の好きなものを見て歩いてる。



「あ、これ、良いなぁ…」

純平君が手に取ったのは、私も大好きなキャラクターのTシャツ。
小さなキャラが胸のところにワンポイントで刺繍されていて、シンプルで大人っぽい。



「あ、こんなのもある。」

次に手にしたのは同じキャラクターの部屋着。
そうだ…私、これ、以前持ってたよ。
Lが欲しかったんだけど、LLしかなくて、幅はともかく、袖やらズボンの丈がとにかく長すぎて……



なんだろう…
そんなことを思い出したら、心がなにかざわっとした。
なんだろう…何なんだろう?
この心のざわめき……



「ひかりちゃん…?
どうかしたの?」

「え?う、ううん。なんでもない。
確か、このキャラの部屋着、持ってたなぁって思い出してて…
あれ、どこに置いたかなぁって…」

「そっか。ひかりちゃん、これ持ってるんだ。
じゃあ、僕も買おうかな。
そしたら、お揃いだよね。」

「え?あ、そ、そうだね。
何か、恥ずかしいな。」

純平君は、本当にその部屋着を持ってレジに行った。



確か、捨ててはないはず。
私がアニメ関係のものを捨てることなんてめったにないから。
きっと持って来てるはずだ。
帰ったら探さなきゃ…



「お待たせ。」

そう言った純平君が、私の目の前に袋を差し出した。



「何?」

私が問うと、純平君は小さく笑う。



「僕と色違いなんだ。」

「えっ!?」

袋の中をのぞいたら、さっき見てたTシャツのピンクの方が入ってた。



「えっ!これ、もらって良いの?」

「うん、ささやかだけどプレゼント。
ほら、これだと控えめだから、お兄さんもきっとそんなに怒らないと思うから。」

「えっ!良いの、本当に?」

「うん、もちろんだよ。
良かったら着てね。
僕はブルーにしたんだ。」

「あ、ありがとう…!」

う、うわぁ…男の人からプレゼントもらったのなんて初めてだよ。
でも、良いのかな、けっこう高かったのに…


嬉しいのと困ったのとで、私はどうしたら良いのかわからなくなって、おかしな顔で笑ってた。
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