赤い流れ星3
side 和彦



「よぅ!」

「来てくれてありがとな。」

「別におまえのために来たわけじゃない。」

「相変わらず、口が悪いな。」

俺達をテーブルに案内してくれたのはシュウだった。



「俺もあとで顔出すから…」

「あぁ…」

席に着くと、すぐに純平と慎二が来てくれた。
シュウに頼んで、この二人を押さえておいてもらったのだ。



「カズさん、美咲さん、ひかりちゃん、いらっしゃい!
来てくれておおきに。」

慎二はいつもながら元気で愛想が良い。



「いらっしゃい。今夜はよろしくお願いします。」

それに比べて、純平は控えめで固い感じだ。



「皆さん、何飲みはりますか?」

各々がオーダーを取り、俺達は他愛ない話に花を咲かせた。



「あ、そういえば、純平さんはカズさんとは初めてちゃうの?」

「そ、そうですね。
お店では初めてです。
以前、ネイサンさんの歓迎パーティではお会いしましたが…」

しゃべる声も口調も静かでおとなしい感じだ。



「ひかりちゃんも純平さんに会うの、ひさしぶりちゃう?」

「え?あ…あぁ、そうだね。
すごくひさしぶりかも…」



(嘘ばっかり吐きやがって……)



「カズさん、ひかりちゃんは純平さんのことお気に入りなんやで~
アニメという趣味が一緒やねん。」

「そうなのか?」

「お、お気に入りっていうか…以前、一緒にデュエットしたことがあっただけだよ。」

「そ、そうなんです。」



なんだ、こいつら。
俺達の前では、二人の関係を完全に隠すつもりのようだ。



「ホストでアニメファンって珍しいんじゃないか?」

「そう…ですね。
余り多くないかもしれません。」

「慎二は何が趣味なんだ?」

「俺ですか?
俺は楽しいことやったらなんでも。
とかいいながら、休みの日はなんや寝てばっかりなんですけどね。」

飲みながら、皆で話してる時、見知らぬ女が俺達のテーブルの傍にふらふらと近寄って来た。
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