赤い流れ星３

「と、ところで…青木さんは、KEN-Gさんのことはどう思われてますか？
あの方が賢者さんだということは、いまだに信じられませんか？」

「あぁ、そのことですか…」

正直言って、そのことは重要なことではあるのに、俺の中ではさほど重要視されていなかった。
つまり、大河内さんが賢者かどうかはいまだに断言出来る程は判断がついていないが、どっちであっても、大河内さんのことを信頼していることに間違いはないし、もうそのことはどうでも良いと…そう言う感じだ。
だが、美幸とシュウのことをあれほど真剣に考えていてくれるところを考えれば、賢者だという方が信じられる。



「俺は大河内さんを信じてますよ。」

ぐだぐだと説明するのが煩わしくて、俺は簡単にそう答えた。



「そうですか…それは良かったです。」

野々村さんは、俺の言葉をどんな風に解釈したのかわからないが、そう言って微笑んだ。



「野々村さん…実は俺達…すごい勘違いをしてたんですよ。」

「勘違い…？」

「はい、あなたと大河内さんが、その…いい仲なんじゃないかって…」

「えっ！私とKEN-Gさんが？？」

野々村さんは丸い目をして驚いていた。



「そうです。
だって、あなたは初めて大河内さんに会った時に、友達になってほしいなんて言われて、しかも、それを了承されたら涙まで流されて…
その後も、たまたまあなたと大河内さんがファミレスで二人でいるところを見かけたんです。
その時、あなた方は手を取り合ってみつめあってらっしゃった…」

「え…！？そ、そ、それは違います！
友達になってほしいって言ったのは、KEN-Gさんのことを探るためでしたし、ファミレスで会ったのは、ひかりさんの件で相談してた時だと思います。」

野々村さんは、必死になって弁解を始めた。



「わかってますよ。
ただ、その時は、まだ事情が分からなかったから、本当にそうなんだと思ってました。」

そうだ…俺はそのことで、大河内さんにずっといらいらしていた。
俺よりもずっと年上の大河内さんに、恥ずかしいけど嫉妬してたんだ……