赤い流れ星3
side シュウ
(一体、なにが…?)



ジョーと他愛ない会話を交わしながらも、頭の中では別のことを考えていた。



(なんであんなにかっとしたんだろう?)



そう、それはついさっきのこと。
ひかりとなんとなく話していたら、純平の話になって…



あいつは、まるで純平への愛が冷めたような言い方をした。
純平は俺の大切な仲間だ。
その仲間のことをそんな風に言われたら、そりゃあ良い気はしない…



(でも……)



それだけじゃあないことを俺は気付いていた。



そう…なんとなくほっとしたような…
なぜだかそんな気持ちを感じ、そのことが俺を苛立たせた。



(俺はなんでこんな気持ちを…)



苛立ったまま、俺はひかりの傍を離れた。
ひかりの顔がまともに見られなかったんだ。
まるで、ガキみたいだと自己嫌悪に陥った。
だけど、そんな気持ちを悟られないように俺は平静を装って…



「……シュウ…?
どうかしたのか?
……シュウ!」

「え?あ、なんか言ったか?」

「なに、ぼーっとしてるんだよ。」

「あ、すまん。ちょっと考え事してた。
ほら、翔馬のことが気になって…」



俺は咄嗟に新人の名前を出して誤魔化した。
考え事に没頭してしまってたようだ。



「大丈夫だ。翔馬のことなら、純平がちゃんとやってくれてるから心配ないって。」

「そ、そうだな。
あいつに任しておいたら心配はないが…あいつも新人の指導ばかりでいやになってるんじゃないだろうか?」

「そんなことないさ。
あいつは、どちらかというと裏方の仕事の方が得意だし…って、そんなことはあんただってわかってるだろ?」

「まぁ、そうだけどな。
こういう場所にも呼んでやらなくて悪いかなとか思ってさ。」

「あぁ、ひかりちゃんのことを考えてるのか?
ま、今日会えなくても、会おうと思ったらいつだって会えるんじゃないか?」

「……そりゃあ、そうだな。」

なにげない素振りをして俺はそんなことをジョーと話しあった。
純平の名前が出ただけで、動揺してる心を隠して…
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