赤い流れ星3




「朝帰りは久しぶりだね。」

「……まあな。」

ホテルにいても仕方ないから、俺は家に戻った。



「久しぶりに彼女でも出来たの?」

「そうじゃない。昨夜は野々村さんと飲みに行って…」

「えーっ!野々村さんとそういう仲になっちゃったの!?」

アッシュの言葉に、鼓動が速くなる。



「ば、馬鹿なことを言うな!
昨夜、俺は酔い潰れて帰れなくなり、ホテルに泊まった。
野々村さんは、家に帰った。」

「な~んだ。」

「当たり前だろ。あの真面目な野々村さんが、カズとそんなことになるわけないじゃないか。」

マイケルは自信ありげに、そう言った。



(そうだよなぁ。相手はあの野々村さんだぞ。
誰だって、そう思う。)



では、あれはやはり夢だったのか?
いや、そんなことはありえない。
じゃあ、野々村さんもただ眠くて横になっただけか?
そんなわけはない。
それなら裸になる意味がわからない。



「タクシーで帰って来れば良かったのに。」

「そ、そうだが…夜中にお前たちを起こしてしまうのも悪いと思って…」

「そんなこと、気にしなくて良いのに。」

「かなり酔ってたから、とにかく眠かったっていうのもあるんだ。」



なんとか言い訳をした。
ふと見ると、美幸は、うとましげな目をして俺を見ていた。
信じてないわけではないだろうが、だらしない男だと思っているのだろう。
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