赤い流れ星3

side 和彦

うまくいった。
俺の提案をシュウは、承諾してくれた。



漠然とショッピングなんて言ったけど、正直言って今は特に欲しいものもない。
そんな時、ふと頭に浮かんだんだ。
野々村さんに、靴やバッグをプレゼントしたいって。
でも、本当の彼女じゃないのに、そんなことをしたら、彼女は遠慮するんじゃないだろうか?
かといって、誕生日はいつかわからないし、プレゼントの口実がなかなか思いつかない。
そんな時、急に思いついたんだ。
テレビでたまにやっているファッションチェック…
遊びであれをやる振りをして、プレゼントしたらどうか?って。



出来るだけさりげなく。
急に思いついたふりをして、提案しよう、と。
女性だけだったら不自然だから、俺達の分も選んでもらうことにしよう。
これなら、シュウや美幸にとっても良いチャンスだと思う。
お互いの着るものを選ぶのは、意外と楽しいものだ。



野々村さんは、最近、服装も気を遣い始めたみたいだが、やはり、どうしても地味で真面目なものが多い。
派手ではなくても、もっと女性らしい服を着たら、ますます綺麗に見えるだろうに。



(この勝負、俺の勝ちだな。)

女っぷりの上がった野々村さんを想像して、俺は胸を弾ませた。
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